春と言えば桜!世界中に桜の木はありますが、春になると「開花宣言」や日本各地の開花予想日を「桜前線」と名付けてニュースで報道したりと、日本人ほど桜に思いを寄せている国も珍しいそうです。花だけでなく、もう少し桜のことを知ると、また一段と桜への想いが深まるはずです♪
桜の原産国は?
桜の原産国は日本!…と言いたいところですが、残念ながら違うようです。桜はヒマラヤ地域が原産だとされていてヒマラヤザクラの2万5000年前の化石が見つかっていますが、韓国だという主張もあり、実は未だ確実にはわかっていないようです。 
日本の桜
日本は桜の原産国ではありませんが、その品種の多さは世界最多の500〜800種類とも言われています。
なぜこんなに種類が豊富なのでしょう?
その理由は、江戸時代の参勤交代制度が樹木の品種を増やすことに大きな影響を与えたようです。各藩の藩主が国許(くにもと)から江戸にやってきます。江戸の屋敷では国許の花木が集められ、藩主の楽しみの一つとして、園芸文化が盛んになり、なかでも人気だったのはサクラでした。その江戸時代に、盛んに品種改良が進んだと言われています。

代表格「染井吉野(ソメイヨシノ)」
日本にある桜の7~8割がソメイヨシノであると言われています。江戸時代から花を楽しむために、接ぎ木(つぎき)などの栽培の工夫で新しい品種をつくる品種改良が進み、ソメイヨシノは、古くから日本に自生する野生種のエドヒガンと日本固有種のオオシマザクラとをかけ合わせ、江戸時代後期に染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋さんがつくりだして栽培したと考えられています。桜と言えば奈良の「吉野桜」。これに染井村の「染井」をつけて「染井吉野(ソメイヨシノ)」と呼ばれるようになりました。

桜のクローン⁈
接ぎ木という栽培方法は、平安時代には確立されていたと言われていて、今現在全国で見られるソメイヨシノは全て、同じ1本の木から接木で増やしたものだそうです。
そのため全てのソメイヨシノが、同じ遺伝子を持っていると研究によって明らかになり、これがクローンと言われる由縁なのです。クローンということは、すべてのソメイヨシノが同じ特徴を持っていることになります。
ソメイヨシノの特徴は
1. 成長が早く、花がつくのが早い
2. 葉よりも前に花が咲く
3. たくさん花が咲く
これらの特徴を持った木が、だいたい同じタイミングでいっせいに花を咲かせます。これはみんな同じ遺伝子を持っているからなのです。

桜が抱える課題
今現在、私たちが見ている桜は1980年代に植えられたものが多く、桜は20〜30年で手入れをしないと樹勢が衰えてしまい、花付きが悪くなったり枝が枯れてしまいます。
さらに「サクラ類てんぐ巣病」や、幼虫が木の中を食い荒らす外来生物の「クビアカツヤカミキリ」の脅威も深刻です。しっかり根が張れる環境で、栄養を与え、適切な剪定をすることで美しい桜をいつまでも楽しむことが出来るのです。
五感で味わう桜の楽しみ方
桜は可憐な花を眺めるだけでなく、食文化としても日本人にとって欠かせない存在です。
花も葉も、生ではほとんど香りがしませんが、塩漬づけにすることで「クマリン」という皆さんご存じのあの独特な香りが生まれます。
【桜の花の塩漬づけ】
桜の花の塩漬けには、花弁の多い「八重桜」を使います。ソメイヨシノのような一重の桜だと、花びらが落ちてしまって綺麗にできないためです。塩と白梅酢(梅の実を塩で漬つけるとしみ出す汁しる)に漬けたものを指します。
桜の塩漬けは、結婚式のような祝いの席にも出され、桜湯は普段桜1輪を漬けたものを使いますが、結婚式などのおめでたい席では、2輪の桜がつながっているものを使って桜湯にすることで、夫婦仲良くという願いを込めます。
【桜の葉の塩漬け】
主に「大島桜」という種類の桜の葉を、塩と白梅酢などで漬けたものです。桜餅や桜ごはん、またいつものお茶に入れてみるだけでも春の訪れを感じることができます。桜は食文化でも私たちを楽しませてくれますね。
その他にも、桜の咲く時期や色にちなんで、桜と名のつく食べ物があります。たとえば、春にとれる真鯛は「桜鯛」と呼ばれます。駿河湾で春や秋によく獲れる「桜えび」は、鮮あざやかな桜色が特徴です。また、たこを炊き込んだご飯は、その色合いから「桜飯」ともいいます。
まとめ
当たり前だと思って見ていた桜ですが、葉よりも花が先に咲く珍しさや、なぜいっせいに満開になって、一気に散ってしまうのか…その理由を知ることで、さらに桜の魅力に引き込まれてしまいます。日本人が大好きな桜をいつまでも美しいまま楽しめるように、少しずつお世話をしていく大切さも心にとめておきたいですね。