桑の木になる「桑の実(マルベリー)」は子供の頃に採って食べては口まわりや手、服などが紫色に染まってとれなかった!という方もいるのではないでしょうか?
また葉は、繊維の女王「絹」を生み出す蚕(かいこ)の食べ物として知られています。そんな身近にあった桑ですが、実は人の身体に嬉しい必須栄養素がたっぷり含まれているのです。
今回は桑の豊富な栄養成分や、飲み方などについて書いて行きます。
桑ってどんな植物?
桑は熱帯から亜熱帯の山野に自生しているクワ科クワ属の植物の総称で、原産地は中国地方から朝鮮半島といわれており、日本には葉を飼料とする蚕とともに伝えられたといわれています。桑の実は「マルベリー」とも呼ばれ、木いちご(ラズベリー)に似ており、初夏に熟します。 漢方薬の原料として利用され中国では古くから薬用に栽培されていました。
桑の生薬名は?
桑には実、葉、枝、根にいたるまで、それぞれの部位ごとに生薬名がついています。ここでは各部位の生薬名と特徴をご紹介します。
- 実 生薬名「桑(そう)実(じん)」--- 養血に分類、血の気をとりもどす
- 葉 生薬名「桑(そう)葉(よう)」---辛涼解表に分類、熱を鎮める
- 枝 生薬名「桑(そう)枝(し)」---袪風湿に分類、余分な水分を排出
- 根 生薬名「桑(そう)白皮(はくひ)」---止咳平喘に分類、咳を鎮め、呼吸を整える
桑にはどんな成分があるの?
桑の葉には、カルシウムがキャベツの約60倍、鉄分がこまつなの約15倍、総カロテン量がほうれんそうの約10倍と、とても豊富な栄養素が含まれています。
さらに、発芽玄米にも多く含まれる成分GABAによるリラックス効果も期待できます。 また近年の研究でブドウ糖に似た物質、DNJ(※デキオシノジリマイシン)が含まれていることがわかり、食後の血糖を穏やかにすると注目されています。 ※デキオシノジリマイシンとは、ブドウ糖と非常に良く似た構造をしている物質。糖質の分解を抑制し、吸収を阻害するとされています。
また、酸化から身体を守るビタミン類も豊富で、 ビタミンA、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンC、鉄、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、カリウム、カロテンなど体内で合成されることはほとんどない体に必須な栄養素が豊富に含まれています。 体の機能を維持したり、新陳代謝をスムーズにする効果が期待されます。 さらに桑の実には、ポリフェノール、アントシアニン、フラボノイドなどが含まれています。
桑の葉茶の飲み方は?
日本では、鎌倉時代、不老長寿の薬として伝えられました、その万能の効果から「神仙茶」と名付けられていました。 神様の「神」に仙人の「仙」名前からもお茶への期待値がうかがえる気がしますね。
〈美味しい淹れ方〉 ・
- カップの場合1ティーバッグ 熱湯200~300㎖ 抽出 3~4分 ・ティーポットの場合 1~2ティーバッグ 熱湯250~500㎖ 3~4分
- 煮出す場合 2~3ティーバッグ 水またはお湯1ℓ 沸騰後弱火3~5分
- ボトル 1~2ティーバッグ 熱湯250~500㎖ 抽出3~4分※抽出後ティーバッグは取り出してください。 ・お湯の量や抽出時間はお好みにより加減してください。 ・色が出なくなるまでお飲みいただけます。 ・夏は冷やすとより一層美味しくお飲みいただけます。
まとめ
いかがだったでしょうか? 桑は蚕のごはんにするだけではもったいない 身体に嬉しい成分の宝庫です。 栄養素から見ていくと私たちの身体にとって素晴らしいごちそうに 見えてきますね。 ぜひ、日々のサプリメント代わりにとりいれてみてはいかがでしょうか?