森を歩いていると、ふと鼻先をかすめる爽やかな香りに気づくことがあります。
その正体のひとつが、日本の山地に広く自生する樹木 クロモジ です。
爪楊枝の素材としてご存じの方も多くいらっしゃると思います。
森林セラピー基地「2つ星」に認定されている黒姫山麓でも森に入ると多くのクロモジの木が目につきます。
古くから生活に寄り添ってきたこの木は、近年では 健康機能を持つ素材としても科学的に注目 されています。
本記事では、森での クロモジの見分け方と特徴、そして 近年明らかになった健康効果 についても紹介します。
クロモジとは?

クロモジ(学名:Lindera umbellata) は、クスノキ科の落葉低木で、日本各地の里山から山地にかけて自生しています。
枝や葉を折ったりこすったりすると、爽やかな柑橘系の香りが立ちのぼるのが最大の特徴で「和製ベルガモット」とも言われています。
その香りの良さから、クロモジは古くより
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高級楊枝の材料
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生薬(烏樟)
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香料や民間薬
として利用されてきました。
特に長野県で製造されている薬用酒「養命酒」には、クロモジの枝を乾燥させた 烏樟(うしょう) が主要な生薬として配合されています。
クロモジの形態的特徴
葉と枝の特徴
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葉は細長い楕円形で薄く、互生(交互)につく
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葉の表面はなめらかで、やや光沢がある
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枝や幹に黒い斑点状の模様が見られる
これが「黒文字」という名前の由来です
枝を折ると、すぐに 清涼感のある香り が強く感じられます。
花と実
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春(4〜5月頃)に黄緑色の小さな花を咲かせます
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秋には黒い小さな実をつけることもあります
森でのクロモジの見分け方

クロモジは、森の中では他の低木と見分けがつきにくいこともあります。
次のポイントを押さえることで、判別しやすくなります。
① 香りで見分ける
最も確実な方法は 香り です。
枝を軽く折る、またはこすってみてください。
爽やかで柑橘を思わせる香りがはっきり感じられれば、クロモジの可能性が高い と言えます。
② 葉の付き方を見る
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葉は 互生
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形は細長く、先がやや尖る
③ 幹や枝の斑点を確認
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緑がかった枝に黒い斑点があるかどうか
これも重要な見分けポイントです。
近年明らかになった研究結果

― クロモジの健康効果 ―
クロモジは伝統的な素材である一方、近年は 科学的な機能性評価 が進められています。
信州大学農学部と養命酒製造株式会社が共同で、クロモジ抽出物の生理機能に関する研究を発表しました。
その結果、クロモジエキスにはインフルエンザウイルスの感染初期段階を阻害する作用がある可能性 が示されています。
研究で示されたポイント
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クロモジエキスがウイルスの細胞への吸着・侵入を抑制
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感染初期から増殖段階にかけてウイルス増殖を99.5%以上抑制する結果 が得られた
この研究は、長年食経験があり安全性の高い 伝統素材に科学的根拠を付加した好例 として注目されています。
参考:https://www.shinshu-u.ac.jp/zukan/cooperation/995.html
森の香りと私たちの暮らし
クロモジの香りは、単に心地よいだけではありません。
古来より、人々はその香りを
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生活用品
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生薬
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心身を整える素材
として活用してきました。
森の中でふと感じるその香りは、自然が長い時間をかけて育んだ「生きた香り」 です。
まとめ
クロモジは、森で出会う「香りのサイン」。
見分けるためのポイントは次の3つです。
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枝を折ったときの爽やかな香り
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黒い斑点のある枝や幹
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薄く、互生する葉
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