歩けないほどの腰の痛み
平成28年10月、それまで味わったことのない痛みを感じた。ぎっくり腰は何度か経験したことはあったものの、その痛みは体験したものとは異なり、腰というよりも左臀部から左太腿からふくらはぎにかけて痛みが走るというものでした。ぎっくり腰の経験から1週間程度で痛みは治まると思い安静にしていました。
ところが、痛みはひどくなるばかりで一日中その痛みに追われる毎日となってしまいました。整形外科での診断は、第4腰椎と第5のヘルニアによる坐骨神経痛でした。最初は痛み止め薬を処方して飲み、その後はブロック注射での治療に入りました。その他色々な治療法試すものの、一時的には良くなっても、翌日には痛みがぶり返すといった状況でした。歩くこともままならず、10歩進むと痛みで止まってしゃがみ込みといったもので、そのうちに椅子に座っていても車を運転していても痛くてたまらず、病院に行っても痛みで座っておられず、車椅子に腰を曲げてつかまるようにしてようやく歩くといった状態でした。その時の病院の待合室で「あの人60歳前なのに可哀そう」と言った声が聞こえてくるのでした。
ある本との出会い
そして1週間後には整形外科手術で背中にメスを入れるまで至っていた時に、ある知人からのメールが携帯に届いたのでした。それは、「自分で治す整体」(田口衛先生著)と言う本の事でした。
この本を取り寄せ読みストレッチをとにかく丁寧に行い、大殿筋や梨状筋のほか股関節をほぐしたりして毎日を過ごしていました。また、改めて痛みに関しての和漢薬やハーブを調べ、それを活用していきした。その中でも南米ペルー原産のキャッツクローがインカ時代から痛みに用いられたことを再認識し、原料を煮出して飲んだり患部に布に浸み込ませた布を当てたりしていました。正に自分の免疫力を総動員して坐骨神経痛に対処していったのでした。その結果、平成29年4月に立ちそして歩くことができる状態になったのでした。痛みで何もできず、希望をも失いかけた時に「自分の中のある可能性」に気づくことができたのでした。
ペルーの秘薬「キャッツクロー」
キャッツクロー(英: Cat's Claw)は、学名をUncaria tomentosaと言いアカネ科カギカズラ属の植物です。南米ペルーの標高400~800mのアマゾン奥地に自生する蔓性植物で葉の付け眼に特徴的な太い猫の爪(キャッツクロー)のようなトゲが生えたつるの灌木です。その有用成分は、根や樹皮から抽出した五環系オキシインドールアルカロイド (POAs) です。ちなみに世界保健機関 (WHO) は、1994年5月ジュネーブ会議でキャッツクローを副作用のない抗炎症剤として公式に認定しました。この植物の活用の起源は、中央ペルー・アマゾンの先住民族が、伝承薬としていたものと言われ、インカ時代から免疫力の向上や関節炎やリウマチ、腰痛の治療に使われてきたようです。その効用は免疫力の向上・気管支喘息、気管支炎関節炎、リウマチ・ヘルペスなどにへの緩和作用とされています。名前の由来は、葉の付け根にネコの爪のようなトゲが生えていることから、スペイン語で「ウニァ・デ・ガト」、英語で「キャッツクロー」、つまり”猫の爪”という意味の名前で呼ばれるようになりました。そのキャッツクローには6種類のアルカロイドが含まれています。それらは、イソテロポディン、テロポディン、イソミトラフィリン、ミトラフィリン、イソリンコフィリン、リンコフィリンです。これらの成分により抗炎症作用、鎮痛作用、関節リウマチや変形性関節症の症状緩和、免疫力を上げる効果が報告されています。
これらのアルカロイドは免疫バランスを整えるのに有効であるとされ、医学的な証明も報告されています。その他にも多くの文献でキャッツクローの免疫に関する研究結果も発表されています。キャッツクローはハーブでありながら、痛みに対して比較的早く効き、即効性があるということも特徴です。また、 腰痛、関節痛(関節炎)、神経痛などの改善効果に関しては、アルカロイドには炎症を抑える作用、血液促進作用もあり、それらが腰痛・関節痛(関節炎)、神経痛に働きかけ、血流を良くすることで筋肉の動きを良くし、関節部分の支えを強化し、炎症や痛みをやわらげる効果があると文献では示されています。
Quality of life(生活の質)
ストレッチとキャッツクローにより、10代の頃から半世紀以上の趣味であるサイクリングやスキーを今でも楽しめる生活を取り戻すことができました。人生100年時代、その中で体の痛みはQuality of life(生活の質)を損なう要因ですが、対処法をしればそれを取り戻すことも可能であることを「坐骨神経痛」が教えてくれたのでした。