三七人参のふる里を訪ねて

三七人参のふる里を訪ねて

May 15、2024狩野さとい

「第二回文山三七国際フォーラム」参加に伴い、「励命源」の主原料「三七人参」のふる里 中国雲南省の“文山市”にある三七人参の研究・育苗・栽培では随一の「(ミャオ)(キョウ)三七(サンシチ)実業」(以下「苗郷三七」)の農園を視察した際の様子をお伝えします。

 

雲南省の面積は日本とほぼ同じ。チベット高原から続く高い山々があり、山地・高原の面積が全体の94%を占める。文山市は、北回帰線が横断し、亜熱帯の高原気候で「三七人参」の栽培に最も適している。

 訪れたのは11月。3年以上かかり丹精込めて栽培された「三七人参根」の収穫期。レンガ色の土の中で、栄養分をしっかり吸収して育った三七人参は、鍬を使って11つ丁寧に収穫されていました。収穫までの過程を追ってみます。

(農場の外観画像)光の調節が栽培の要。3層の特製「寒冷紗」(日よけ)で覆い、季節や天気の様子で調節される。

 

安全性と品質面では世界一

GAP栽培

現在、「苗郷三七」は63ヶ所(最大距離700kmにも及ぶ)の広大な農園(平均6万坪)があり、若い優秀な大卒の管理者をおき、1000人の教育を受けた従業員で、種から人参・花までを一括生産。GAP栽培により、完全にトレサビリティー(生産履歴を追える制度)が取れる生産管理を実施し、中国の生薬業界の中で、最初に国家基準を作成したことで知られています。年間生産量は、3,000トンと最大規模で、この高い品質は世界で認められています。 

※「品質」「安全性」「環境への配慮」など の一定基準を満たした農作物に認められる規格。

農園の土地選び

三七人参は、一度栽培した土では連作障害が起き、二度と育たず、転作して栽培するため、次々に広大な農園が必要になります。残留農薬・重金属・大気汚染がなく、灌漑(かんがい)用水の水質等厳しく検査し規定に達した土地を農園として開墾。大学卒業後の若い作業員と、通ってくる農園近くの少数民族の主婦(まかないもその方達が作ります)と、その農園で自給自足の共同生活を送る。農園の中には、電波はもちろんのこと、道路も無いような深い山中の農園もあり、車は通ることができず、徒歩で町まで半日というとても不便な所もあります。

画・・農園では貴重なたんぱく源となる「アヒル」を飼育し、それを食する。薪の台所

 

苗の品種改良

自社に研究機関を持ち、生育期間が長い作物でありながら、病害虫に弱い「三七人参」の品種改良を行なっています。この結果「苗郷三七」では、3種類の苗の特許を持ち、化学殺虫剤・農薬使用を避け、有効成分の高い高品質の原料を栽培することができます。

 

栽培過程

種から発芽した苗を「一年(いちねん)三(さん)七(しち)」と呼び、海抜1400m前後の農園で1年間育苗を専門に行ない、その後、海抜1800m~2000mにある農園に移植して2年間栽培。手間はかかりますが、高地で栽培することにより、栄養吸収・有効成分のサポニンの含有量も高くなり、害虫による被害、菌等による病気も少なくなります。 

3年目の6月に「三七(さんしち)花(か)」の収穫。その後、人参は急激に大きくなり、10月からようやく「三七人参」の収穫を迎える。   

農場の中は、畝(うね)ごとに区画整理され、温度・湿度・草取り・害虫駆除の管理記録が毎日本社に報告されます。「三七人参」は、有機栽培で最も手がかかるのは、除草・害虫駆除で、全て手作業によります。

 

加工工程

収穫した原料は、24時間以内に加工工場に運ばれ、根切り、選別作業を経て、専用の高圧洗浄機で傷めないようしっかりと洗浄後、直ちに乾燥室に移され乾燥させます。有効成分量・水分量・重金属等の検査を行い、合格した原料は、形・大きさによって等級選別を行なう。

細かい根を手作業でとり、薬膳料理素材として活用

G専用の乾燥室

最新!三七人参研究報告

三七人参の健康効果を研究する施設「三七健康研究所」の方朋医師による最新の研究結果。

 

三七人参からは、サポニン・フラボノイド・有機ゲルマニウム・アルギン酸・アミノ酸・デンシチン・植物ステロール、微量元素など100種類以上の有効成分が発見されており、生薬の中では、珍しく単独で利用でき、副作用のない漢方薬。

活血・止血補血、消腫鎮痛・滋養強壮・抗老化・肝機能障害・抗炎症・免疫力強化等病気の予防と治療、養生の妙薬として活用でき、三七人参は血液に関する一切の病気に効果があることが発表された。

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