かつて日本一!信州信濃町から挑む!「花まつり甘茶」復活大作戦!
このプロジェクトのきっかけ
「4月8日の花まつり」
奈良時代から続くこの伝統文化が、今、静かに姿を消そうとしています。かつてはどこの寺院でも、お釈迦様の像に甘茶をかけ、お釈迦様の誕生を祝う行事が行われていました。 しかしいま、花まつり自体をやめてしまった寺院や、甘茶の入手が困難なため、ウーロン茶や麦茶で代用する寺院や仏教系保育園が増えています。
理由の一つが 「甘茶が手に入らない」から。
長野県信濃町。かつて日本一の甘茶の産地と呼ばれたこの町でも、農家の高齢化と収穫の手間、そして後継者不足により、生産量は最盛期のわずか1割以下に。
※甘茶(天茶)栽培必携 西澤正光著 より抜粋
私たちは、このまま花まつりの甘茶文化が失われていくのを、ただ見ているわけにはいきません。「甘茶の再生」と「花まつりの復活」に挑戦する――それがこのプロジェクトの始まりです。
クラウドファウンディングに挑戦した理由は、収穫までに3年間を有するためその間の収入はありません。その間の農業資材や草取りの人件費、そして新規就農者が安心して栽培にチャレンジできる環境づくりのために頂戴した資金を活用させていただきます。
甘茶とは?
甘茶(あまちゃ)は、ユキノシタ科アジサイ属の植物「アマチャ(Hydrangea macrophylla var. thunbergii)」の葉を加工してつくる、やさしい甘さの薬草茶です。そのままの葉には甘みはありませんが、手でよく揉み発酵させることで「フィロズルチン」という甘味成分が生まれます。この成分は、なんと砂糖の400~500倍もの甘さを持つといわれており、昔から「自然がくれた甘み」として親しまれてきました。もちろん、カフェインはゼロ。江戸時代から体にやさしい健康茶として、日本人の暮らしのそばにありました。この甘茶は健康効果についての様々な研究がなされており、今あらためて「未来につなぐ薬草」として注目されています。
地域と甘茶
長野県の北部、雄大な妙高戸隠連山国立公園に囲まれた自然豊かな町「信濃町(しなのまち)」。夏は避暑地として人気が高く、冬は深い雪に包まれるこの町は、四季折々の表情が美しい場所です。標高約800メートルの冷涼な気候と豊かな水に恵まれ、そばやとうもろこしが特産品です。
信濃町は、かつて「甘茶(あまちゃ)」の生産量が日本一を誇った町でもあります。歴史は江戸時代前期より始まり、冷涼な気候と冬の積雪がユキノシタ科の甘茶にはとても適していました。
田畑の畦に隣の畑の境界と土留め対策として栽培されてきました。
これまでの活動
私たちは30年以上に渡り20件ほどの地元の農家さんに契約栽培をしていただいていました。しかし農家さんの高齢化、株の老齢化、収穫の完全手作業による負担増により、生産農家、生産量ともに右肩下がりの状態です。
このような中自分達でも甘茶の栽培方法を学ぼうと2020年より、自社圃場での甘茶試験栽培に取り組み始めました。2年間に渡り、遊休農地を開墾し、今年2025年の春より、本格的な植え付けを開始。
この取り組みには、生活クラブ生協の援農チーム「夢都里路(ゆとりろ)くらぶ」、長野県内の薬草栽培農家や有志、当社社員など総勢約50名が参加し、開墾した遊休農地に手作業で一株ずつ丁寧に1,000株の苗を植え付けました。当日はテレビ局2社、新聞社にも取材いただき多くの方に取り組みを知っていただく機会となりました。
甘茶栽培は収穫機械の導入が難しく、栽培・収穫・選別すべてが人の手によって行われます。そのため継続には労力と愛情、そして支援が必要です。現在も畑では、草取りや水撒き、施肥など、日々の作業が続いています。
▼資金の使い道
本プロジェクトでいただいたご支援(目標金額:100万円)は、以下の用途に活用します。
・除草対策:防草シートや草刈り器具などの購入 ・暑さ対策:遮光ネット、灌水装置の導入
・土壌改良・肥料購入:有機堆肥、ミネラル補給など
・最低限の人件費:草取りや収穫支援の人手確保
・看板制作:圃場は国道に面し交通量が多いため、多くの方に活動を知っていただけます。
・甘茶文化の啓発活動:花まつり冊子や展示パネル制作、学校連携教材ひとつひとつの支援が、甘茶を未来につなぐ土台となります。
プロジェクトの展望・ビジョン
短期的ビジョン:有機栽培による甘茶の安定的な収穫体制の構築と、花まつりの甘茶製品を企画し、花まつり文化の再活性化を目指します。
中期的ビジョン:全国の有志農家、仏教系保育園や寺院と協力し「甘茶ブランド」を確立し、農業者や若手後継者が希望を持って関われる仕組みをつくりたいと考えています。※有機JAS取得
長期的ビジョン:甘茶に含まれる「フィロズルチン」の健康機能性(抗アレルギー、抗酸化、抗菌など)に注目し、大学等との連携による研究や、お茶だけではない新たな甘茶商品の開発にも挑戦します。信濃町から再び、“甘茶の町”としての誇りを全国に発信していきます。
最後に
甘茶が芽吹くたびに思い出す人がいます。90歳近くまで畑に立ち続け、「春に甘茶が芽を出すと元気が出る」と語っていた私たちの甘茶作りの師匠中澤さん。その姿が、今の私たちの原動力です。
甘茶は、ただの植物ではありません。花まつりという祈りの文化、家族や地域のつながり、そして人々の健康と心を支える“生きた文化財”です。
信濃町の畑に、再び甘茶の葉が風にそよぐ風景を。全国の花まつりで、子どもたちの手から誕生仏へ甘茶がそそがれる未来を。そして、甘茶文化とともに歩んできた先人の誇りを、次の世代へ。
私たちは今、本気で挑戦しています。どうかこの想いに、力を貸してください。
プロジェクトの支援にすすむ → https://readyfor.jp/projects/158564