靴下の跡が消えない。夕方にはブーツやパンプスが履けなくなっているなどむくみに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
とくに女性に多いお悩み「むくみ」は、なぜ起こるのでしょう?
小さなお子様にはむくみのイメージはありませんね、なぜ子供はあまりむくまないのでしょうか。それは、子供は体が小さいため血液の巡りがスムーズで余分な水分が滞らないためです。
では、なぜ男性はむくみに悩む方が女性より少ないのでしょうか。それは、女性と男性の骨格やホルモンの違いによって“元々の筋肉量が違うため”です。
むくみと言っても原因はさまざま、時には命にかかわる場合もあります。むくみを詳しく知ることで適切なケアをしてスッキリ軽やかな毎日を過ごしましょう!
むくみやすさチェック
□ 長時間立ちっぱなしや座りっぱなしでいることが多い
□ 寝不足気味
□ あまり体を動かさない
□ 体が冷えやすい
□ 塩辛いものを好んで食べる
□ アルコールを飲む
当てはまる項目が多いほどむくみやすい傾向にあります。
むくみのタイプ
◎むくみは医学的には2つのタイプに分けられます。
【全身性/両側性(りょうそくせい)タイプ】
むくみのおこる場所 からだの左右両側
【*局在性(きょくざいせい)/片側性(へんそくせい)】
むくみのおこる場所 からだの片側だけ
(*局在性…ある限られた場所にあること)
◎さらにむくみの性質により2つのタイプに分けられます。
【圧(あっ)痕性(こんせい)】
むくみの性質 指で数秒間押して放した時へこんでしばらく戻らない。
【非圧痕性】
むくみの性質 すぐに元に戻って跡が残らない。
例えば、夕方に「靴下の跡がくっきりついている!」と言うときは、おそらく両足が同じようにむくんでいるため【両側性タイプ】、そしてすねを数秒間押すと跡がついてなかなか消えない【圧痕性タイプ】のむくみと考えられます。
むくみの原因
[生活習慣]
足は体の中で最も地面に近い場所にあるため、血液が重力によって溜まりやすい部位になります。通常は足の筋肉や静脈の逆流防止弁の作用で、足で使われた血液は心臓に還って(かえって)行きますが、運動せずに足の筋肉を使わなかったり、立ち仕事やデスクワークで同じ姿勢を長時間続けると足の血液は心臓に戻れずに足に溜まった状態になります。足に溜まった血液中の水分が血管から外に出ていくため、むくみが生じてしまいます。
[飲酒]
アルコールをたくさん飲むと血管が拡張するため、血管外へ水分が漏れ出しむくみが生じます。
[貧血]
一般的には「ふらふら」や「めまい」が貧血の症状として知られていますが、医学的には酸素を各臓器に運ぶ“赤血球”が少なくなることを言います。赤血球が少なくなると、それを補うために血液全体の量を増やそうと静脈内の圧力が高まり水分が血管から外に出ていくためむくみが生じます。
[低栄養/低タンパク血症]
食事が十分にとれなくなると体の中のタンパク質が少なくなります。すると血管の中の水分を保持することができなくなり、血管の外へ水分が漏れてしまいむくみが生じます。低タンパク血症は腎不全や肝硬変でも見られます。
[整理や妊娠に伴うむくみ]
生理前や妊娠時には女性ホルモンのバランスが変動するため、むくみやすくなります。
[心不全]
心臓は血液を全身に送り出すポンプの働きをしています、心不全はその機能が低下する状態です。心臓のポンプの機能が低下すると、全身で使われた血液が心臓に戻りにくくなりその血液の水分が血管の外に染み出すことによりむくみが生じます。
[腎不全]
腎臓は体に不要になった老廃物、水分などを体外に排泄し、たんぱく質などを体内に維持したり、体の水分量や体液中の様々なミネラルの濃度を調整する働きをしています。腎臓の機能が低下する腎不全は不要な水分を体外に出せなくなり、体内の水分量が多くなってしまうためむくみを生じます。
[甲状腺機能低下症(橋本病)]
甲状腺は体の新陳代謝を調整する甲状腺ホルモンを分泌する臓器で、のど仏のあたりにあります。甲状腺機能が低下すると甲状腺ホルモンが低下するため体の各部位での水分調整がうまくできなくなりむくみが生じます。
[下肢(かし)静脈(じょうみゃく)瘤(りゅう)]
下肢静脈瘤とは、足の静脈が瘤(こぶ)のように膨らんでしまう状態で、静脈にある逆流防止弁の働きが壊れて、血液が逆流してしまうことが原因です。この逆流により足の血液の交通渋滞が起きるためむくみが生じます。
[深部静脈血栓症]
深部静脈血栓症とは、足の静脈が血栓でつまる状態で、急激に片側の足が赤く晴れ上がります。手術後に長時間寝ていたり、飛行機などの乗り物で足を動かせない状態で乗っている際に起こりやすいと言われています、深部静脈血栓症のむくみは痛みを感じることが多いようです。この血栓が足から肺に流れ血管をつまらせると命に関わるため注意が必要です。
[薬剤性]
むくみの原因には薬剤の副作用の場合もあります、薬剤に関しては医師にご相談されるのが良いでしょう。
病気によるむくみ
両足にむくみが出る病気
・心不全
・腎不全
・ネフローゼ症候群
・肝硬変
・甲状腺機能低下症
・栄養不足
片足にむくみが出る病気
・下肢静脈瘤
・深部静脈血栓症
・麻痺性浮腫
・リンパ浮腫
足にむくみが生じる病気は命に関わる可能性もあり、むくみが片側か、両側かも見極めのポイントです。
むくみのリスクが高まる生活習慣
・ストレスや過労
・塩分や水分の過剰摂取
・運動不足
・長時間同じ姿勢でいる
・からだの冷え
・加齢による筋力低下
・過度なアルコール摂取
むくみのケア
- 同じ姿勢を長時間続けない
座りっぱなしや、立ちっぱなしは血液やリンパ液の循環を悪化させ、むくみが生じます。定期的に足を曲げ伸ばしするとよいでしょう。
〈かかと上下運動〉
椅子に座る、または壁や机を支えにして立つ。
こぶし一つ分足を開いて左右のかかとをできるだけ高く上げて戻す。
10~20回を一日3セット
- ストレッチ/マッサージをする
体に吸収された栄養は血液を通して全身に送られ、不要な老廃物は水分に溶け込んで排出されます。この排出機能が衰えると老廃物や水分が体内に留まりむくみにつながります。ストレッチやマッサージにより血流を良くし、排出機能を高めることができます。マッサージはゆっくり軽くさする程度の力加減で行いましょう。
- 塩分を控える
塩分の多い食事はむくみを促進するため気を付けましょう。むくみ解消には、塩分を水分と共に体外へ排出する作用のあるカリウムや、毛細血管を拡張して血行を促すビタミンEを積極的に摂るとよいと言われています。また、タンパク質やビタミンB1不足もむくみの原因と言われています。
- 手足を温める
手足が冷えると血行不良になりむくみが生じやすくなります。むくみで冷えが悪化して血流が悪くなると筋肉がこわばる悪循環が起きてしまいます。屋内でも保温性の高いものを身に着けたり、温かいお茶を飲むことでで内臓から温まり体を冷やさないことも大切です。また湯船につかることで、水圧で足先の血管が広がり、温まった血液が全身に広がり血流が良くなります。湯船に入れないときは足湯もおすすめです。
[まとめ]
いかがだったでしょうか?
冷え、運動不足から病気までむくみは体からのSOSのサイン、むくみを知ることで自分の状態を知ることができそうですね。自分のむくみタイプが見つかった方は毎日の生活で少しずつケアをしてみてください。
むくみに良いお茶は?
●血流改善には「励命源」
●良質なタンパク質には「ハトムギ茶、黒豆茶」
●老廃物、水分調整には「小豆茶、どくだみ茶、山野草配合どくだみ茶」
●カリウムには「すぎな茶」
●ビタミンには「かきの葉茶」
●温めには「よもぎ茶、玄米珈琲」