今年も、弊社敷地内の甘茶は雪解けとともに、元気に育っています。
冷涼な気候が甘茶栽培に適し、先代がこの地域に甘茶の苗を配り、栽培していただける農家組合を作り、全国1位の栽培量を誇っていましたが、10年程前から栽培者の高齢化に伴い激減の一途をたどっています。甘茶は私たち日本人にとって、「花まつり」など、継承していかなければならない大切な文化的要素もあり、数年前から全社一丸となって、栽培を始めています。
甘茶とは?
甘茶はヤマアジサイの甘味変種で、ヤマアジサイの甘味のある成分変異株が民間で発見されたものとされています。江戸時代あたりから民間薬として利用され始めました。甘茶は日本特有の薬であるため、中国の生薬名はありません。生薬として丸剤などの矯味(甘味)薬、口腔清涼剤の原料などに用いられます。薬理効果としては、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗菌作用、利胆作用が報告されています。民間療法では、糖尿病患者の甘味代用や、胃腸・食欲不振・利尿・口臭除去に茶材として利用されています。
「花まつり」はどんな行事?
お釈迦様のご誕生を甘茶をそそぎお祝いする行事です。日本では推古天皇の時代(606年)が始まりとされています。一般的に、お釈迦様がお生まれになったとされる4月8日前後に行われますが、花が咲く季節を待って旧暦の4月に行う地域もあります。キリストの誕生を祝うクリスマスは知っていても、お釈迦様のお誕生日を知らない人も多いはず。日本人としては覚えておきたいものです。
「花まつり」の由来は?
お釈迦様がルンビニーという花園でお生まれになったことに由来します。
その風景を再現して小さなお堂(花御堂)にたくさんの花を飾り、誕生仏をお祀りします。誕生仏は右手で天、左手で地を指し、天上天下唯我独尊(あなたの命は唯一無二)とおっしゃったときのお姿とされています。
どうして甘茶を注ぐの?
お生まれになったとき、天に住む龍が祝福の甘い雨(甘露の法雨)を降らせたという故事に由来します。私たち一人ひとりの命が尊いと思いながら丁寧に甘茶を頭上にそそぐのが習わしです。花まつりを灌仏会(かんぶつえ)とも呼ぶのはこのためです。
甘茶を使ったお茶は・・・
残念ながら生産量が激減しているということから、甘茶100%の製品は現在製造しておりませんが、甘茶をブレンドした製品はこちら