一雨ごとに緑が濃くなり、いよいよ日差しも夏の気配を帯びてきました。
アクティブに活動したくなる季節、海へ山へと計画を練っている方も多いのではないでしょうか?
楽しみな反面、頭を悩ませるのは容赦なく降りそそぐ強い紫外線。今回はこの季節、強い味方になってくれる柿の葉についてご紹介します。
日焼けのメカニズム
皮膚は紫外線を浴びると角質層で反射し侵入を防ぎます。しかし、防ぎきれなかった紫外線がさらに内部に侵入するとメラノサイトから[メラニン]が産生され紫外線を吸収しますメラノサイトが活発に働くことで増産されたメラニンが、真皮への紫外線の侵入を防いでいます。
真皮は、コラーゲンと弾力繊維(エラスチン)が網目構造を作っておりその間をヒアルロン酸が満たして肌の弾力と潤いを保っています。
しかし紫外線の侵入によりこの網目構造は破壊され細胞膜は過酸化脂質を産生します、過酸化脂質は細胞膜を破壊するため肌は硬く脆くなってしまうのです。
肌を守るためにできたメラニンは、通常ターンオーバーにより角質層より剥がれ落ちたり、
途中で分解されて血管より排泄されますが、ターンオーバーの周期が老化により長くなるといつまでも皮膚に残り、さらに紫外線を浴びて色濃くなります、これがシミの正体です。
柿の葉の成分
柿の葉は、レモンの10~20倍、ほうれん草の10倍ものビタミンCを含むとされています。また、野菜などに含まれているビタミンCとは違い、熱に強い「プロビタミンC」なので、暑いお茶として飲んでもほぼ壊れることなく吸収されます。
一般的にビタミンCが豊富なレモンやローズヒップなどは酸が強いため、採りすぎると胃腸に負担がかかりたくさん摂取ができません、また緑茶もカフェインが気になります。
柿の葉はレモンや緑茶よりもビタミンCを多く含みますが弱酸性で酸味もなくノンカフェイン、たくさん摂っても身体に負担はかかりません。
そのほかカルシウム、アストラガリン、タンニン、カテキンやルチン、コリン、食物繊維、フラボノイド類も多く含まれている。
ビタミンCの働き
柿の葉に多く含まれるビタミンCは、強い抗酸化作用があり、タンパク質の一種であるコラーゲンの生成に必要な成分で、コラーゲンは血管を丈夫にし、皮膚のツヤや張りを保ち、骨粗しょう症の予防をするなど正常な皮膚や血管、粘膜、骨などを形成するのに不可欠な物質です。
また、紫外線の刺激を受け色素細胞メラニンをつくりだす酵素の働きを抑制、ターンオーバーを促しメラニン色素の沈着を防ぐことで、シミ・そばかすを予防します。
そのビタミンCは体内での消耗が激しく空気のように必要になるため常に摂取することが求められます。柿の葉茶のようなビタミンCをたくさん含んでいるものを毎日摂ることは、健康維持にとても大切で、粘膜の強化にもつながり、花粉症などのアレルギー予防も期待されます。
薬湯「柿の葉湯」
実は柿の葉お風呂に入れた「柿の葉湯」は、薬湯でもあるのです!
戦国武将の武田信玄は柿の葉を合戦に持って行き、「柿の葉の煮汁」で傷を癒したという、言い伝えもあるようです。
紫外線を浴びたお肌はトラブルを起こしがち、
昔から親しまれてきた、季節の植物を使う薬湯を取り入れてみましょう。
柿の葉は肌のキメが整い保温効果が高まります。特に、タンニンは肌を引き締める「収れん作用」があり、乾燥しがちな肌や、肌荒れが気になる方、お肌に優しいので赤ちゃんの沐浴にもおすすめです。
-柿の葉湯の作り方-
柿の葉茶のティーバッグを浴槽に入れて使います。(お茶を飲んだ後のティーバックであれば多めに入れます)
生葉がある場合は、
- 柿の葉を洗い、よく乾燥させて保存します。
- 用いる前に葉を破るように切り、1つかみ分をガーゼの袋や
ティーバッグなどに詰めてから浴槽に入れます。
生葉をそのまま使う場合は両手いっぱい、柿の葉20枚くらいを用いましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
柿の葉にはこのほかにもアトピーの痒みの原因になるヒスタミンの抑制をするアストラガリン、殺菌効果、コレステロールの低下作用をもつポリフェノールもたくさん含まれています。
驚くほどポテンシャルの高い植物ですね、日々のスキンケアにプラスすればきっと心強い味方になってくれるはずです。